今年も札幌スタイルショーケースに展示させていただいております。

10月15日（金）まで。

今年は、札幌スタイル認証製品のEZO/slashシリーズの他に、furiru-full-re（フリルフルリ）フリルバッグと、革の端を集めたサークル（円）のオブジェを壁面に飾っています。

EZO/slashシリーズとは対象的なフリルシリーズ、裁断から全く違うアプローチで、デザインしています。

EZO/slashシリーズのデザインは、斜めの切り返しによって視線を動かし、シャープなイメージで、金具などを全て排除し、シンプルにまとめました。ある程度の統一感を出すために、一枚革の均一な部分を選んで仕立てています。

革には個性があるので、野生の革なら尚更なのですが、オスとメス、年齢差や大きさによっても全て違います。その個性をいかに近づけるかが、裁断の勝負です。

一方で、fururu-full-re（フリルフルリ）シリーズは、スラッシュシリーズなどを裁断して残った部分を活用します。革は元々立体的なため、真っ直ぐ平らに伸ばすと端の部分にうねりが起こります。その曲面をあえて生かし、フリルに仕立てます。一枚革の端の自然なラインがデザインの決め手になります。

また、今回は昨年から取り入れている革のサークル（円）は、フリルシリーズを裁断して残る最後の部分を全て活用しています。

もうこれで捨てる部分はほとんどありません。

私がなぜこんなにもエゾシカ革にこだわるのか、今回のショーケースにも並んでいます。是非こちらも立ち止まって読んでいただけたら幸いです。

（昨年の10月に札幌グランドホテルのグランビスタギャラリーにて展示したパネルです。テキスト：佐藤優子）